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企業分析-株式会社マネーフォワード(3994)

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今回は2017年9月に上場し、SaaS関連銘柄(Software as a Service)でありFinTechスタートアップの先駆者ともいわれている株式会社マネーフォワード(3994)の分析をしていきたいと思います。

株式会社マネーフォワード(3994)の事業全体像

マネーフォワードは、国内最大級の個人向け自動家計簿や資産管理サービスを提供しています。他、企業のバックオフィス効率化推進をして法人向けのサービス提供もしています。業務フローのデジタル化手がけるベンチャーLayerxと提携もしています。
マネーフォワードの軸である個人向け自動家計簿アプリは、無料含むユーザー数1000万人突破しています。
CMも流れているので認知は広がっています。

主に事業としては、
個人向けの事業「マネーフォワード Home」
法人向けの事業「マネーフォワード Business」
「マネーフォワード Finance」
「マネーフォワード X」があります。
その中でいろいろなサービスを展開しているのがマネーフォワード社の特徴でもあります。代表的なサービスを解説していきます。

細かく見るとサービス内容は多岐にわたり提供しています。

個人向けの資産管理・家計簿アプリ「マネーフォワード HOME」

マネーフォワードといえばこれ資産管理・家計簿アプリです。
家計簿アプリの中ではNo1のシェアを誇っています。スマートフォンの普及で気軽にアプリを使用できるようになり且つその中でも家計簿アプリの人気は高いです。ユーザー利用がは右肩上がりで伸びています。

「マネーフォワード ME」

家計簿アプリの中でも「マネーフォワード ME」は、誰でも簡単に無料で続けられるお金の見える化サービスです。まずは金以内の見えにくいお金の状況を見えるようにするアプリです。お金に関する口座関連を自動でまとめてくれて一つのアプリで見ることが可能です。
銀行・クレジットカード・証券会社・FX・年金・ポイントなどなど。
2,000を超える金融サービスと提携しており、そこから家計簿を自動で作成してくれます。一元管理できるのでとても便利です。
スマホで簡単に毎月の収入と支出を見ることできます。

基本的には無料で利用できますが、課金することで1年以上前のデータを閲覧、金融機関11件以上の連携することができます。有料は月額500円となっています。フリーミアムでサブスクリプションとして有料に流す仕組みです。
ただそれだけではなく色々データとしてすべて取得できる点はとても強みだと思います。
「マネーフォワード ME」の利用者数は850万人、課金ユーザー数は20万人を突破しています。

「Money Forward Mall」

「Money Forward Mall」はクレジットカードや証券口座開設などあらゆる
お金のサービスを比較・検討、申し込みができるサービスです。
特にクレジットカードは何がいいのか?どれがいいのか?と悩みますが
そんな悩みを解決してくれるサービスです。自分にあったサービスを選ぶことができます。お金の悩みを解決するサービスです。

「MONEY PLUS」

「MONEY PLUS」は金融サービス情報サイトです。お金のリテラシーを向上させるための啓蒙コンテンツです。
ターゲットとしては、お金のことを意識したことがない・あまり興味がなかった人に向けてのコンテンツが多いです。マネタイズは広告になってくると思います。

他にもサービスとして、「しらたま」自動貯金アプリや
「マネーフォワード お金の相談」というファイナンシャルプランナーに無料相談できるサービスや「マネーフォワード ME」のデータを分析してくれる、「マネーフォワード おかねせんせい」があります。色々とサービスがありますが共通してお金にまつわる課題を解決するサービスがメインとなっています。

マネーフォワード Business

マネーフォワード Businessは、法人向けのサービスとなっています。

「マネーフォワード クラウド」

マネーフォワード クラウドは、中小企業および個人事業者向けのクラウドサービスとなってます。主にバックオフィスに関する様々なデータを連携し、経理や人事労務における面倒な作業を効率化する事業者向けSaaS型サービスプラットフォームです。現在CMを流していたりとこちらのサービスに力を入れているのがわかります。こちらは料金は以下となってます。

基本料金(月額プラン) 月額3,980円~月額5,980円

主にネーフォワード クラウドのサービスの中には、
「マネーフォワード クラウド請求書」「マネーフォワード クラウド給与」
「マネーフォワード クラウド経費」
など総務人事の効率化を図ったサービスがあります。

マネーフォワード Finance

マネーフォワード Financeは、主に法人の決済等のお金周りをサービスとしています。

「MF KESSAI」

取引先の与信審査から請求書発行、代金回収までの決済業務を一括して代行する企業間後払い決済サービスです。

「Money Forward Synca」

課題や悩みを持つ経営者に対して、マネーフォワードグループが培ってきた
知見・ノウハウ・ネットワークを活用した課題解決を行ないます。コンサルティング的なサービスです。

マネーフォワードX

クライアントの様々な課題と向き合い、マネーフォワードが培ってきたテクノロジー&デザインの力掛け合わせることで新たな便利や快適を叶えるサービスです。

他にもマネーフォワードグループとして子会社設立や、グループ会社化も積極的に行っています。現在マネーフォワードグループは9社存在しています。グループ全体でお金周りのサービスの提供となってます。

業績について

2020年11月期第2四半期決算から業績を見ていきます。

売り上げ総利益は過去最大というパフォーマンスを出しています。

前年比+70%という成績で特に中心である Business が好調です。

マネーフォワードMEも新規獲得が増えていて安定した収益を確保しています。

売上高の中で最も割合を占めている「Money Forward Business」は、前年同期比76%の増収となっています。コロナ禍でさらに今後も伸びることが想定されます。

他サービスも継続して前年比よりも伸びています。

現在の財務状況はキャッシュが多く健全な経営となっています。

<株価>※2020年7月31日時点

新規上場株は、初値が公開価格より高くなることは多くても、その後は大きく下落していくことが少なくないにも関わらず、同社は初値からは2倍、
公開価格からは4倍になっています。コロナ禍で在宅ワークが急に進んでいることからこのようなクラウドサービスの利用が伸びています。

3C分析

今回は3C分析でマネーフォワード社を分析していきます。

Customer(市場・顧客)

「FinTech(フィンテック)」という造語がでてきていて金融のテクノロジー化に以前から注目が集まっています。2021年度には808億円まで拡大すると予想されています。市場としても成長が期待できます。

その他にも銀行法の改正や改正資金決済法(仮想通貨法)の成立などの法改正や、銀行APIの公開など、更なる環境整備が進むと考えられています。市場としてはプラスに働きます。

またSaaS市場で考えると海外での成長率は年間平均約20%とされていて、
SaaS世界市場は2020年以約890億ドル規模(約9.7兆円超)にまで拡大する見込みで国内でもこの5年間で165%の成長期待があるようです。

また国内でIT導入補助金制度がありコロナ禍という後押して企業がITに投資をしている点も市場としてはプラスなのではないでしょうか。

Competitor(競合)

2大クラウド会計といえばマネーフォワードかfreeeになるでしょう。
freeeは同じようにクラウド会計ソフトを提供しています。
freeeはクラウド会計 シェア調査35%有効事業所数:100万事業所
という市場データです。 freeeのターゲットは少しマネーフォワードとは異なり 従業員が100名以下でありスモールビジネスの方達 を中心に支援をしています。

サービスが重なる部分がありますが、企業理念から少しターゲットはことなってきています。

Company(自社)

マネーフォワードの特徴としては、月額課金、メディア広告収入、金融機関等の利用者向けのサービスの提供など サービス40種類以上提供しているからこそ、収益性にバランスがあるという点でしょう。国内有数の開発力とデザイン力B2B、B2C両方で金融機関との連携強化(API連携)を進めているという点も強みではないでしょうか?

また国内でSaaS型サービスのプラットフォームを作り上げている企業はまだまだ少ない為優位性もあります。

まとめ

今後も成長市場であるSaaS業界なので成長は期待できるかと思います。また国内だけではなく海外にも拠点を構えていて海外進出を狙っています。仮想通貨領域への参入も決定しているので今後サービスの幅も広がっていくでしょう。

ただ個人的にはサービスの種類が多すぎるのは欠点にも見えますが、上手く経済圏を作り上げれるといいと思います。投資家としてはサービスが多いとわかりにくい側面もありますが…

※参照マネーフォワード社 2020年11月期 第2四半期決算説明資料

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