企業分析

企業分析-日本テレビホールディングス株式会社(9404)

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今回はテレビ局の日本テレビを傘下にもつ日本テレビホールディングス株式会社(9404)の企業分析を簡単にしていきたいと思います。

日本テレビホールディングス株式会社(9404)の事業全体像

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日本テレビホールディングス社は、日本国内で最初の民放テレビ局としてスタートした日本テレビをはじめ子会社54社、関連会社29社から構成されている持株会社となっています。

事業としては大きく3つに分かれています。「メディア・コンテンツ事業」「生活・健康関連事業」「不動産事業」です。

メディア・コンテンツ事業

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メディア・コンテンツ事業では、 関東圏のチャンネルでは4chが日本テレビですが、そのテレビ番組を企画制作し、無料放送を行うことによるテレビ広告枠の販売、番組などのコンテンツの配信及びライセンス、映画の製作・公開、イベント・美術展の開催並びに通信販売を行っています。テレビ番組だけだと思われがちですが、色々とおこなっています。

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最近では元々米国の定額制動画配信サービスであった「Hulu」の日本事業を承継し定額制動画配信に力を入れています。テレビ番組とのシナジー効果を生むために色々と試行錯誤しています。

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日本テレビ社は積極的に新規事業を展開しています。「人材教育事業」「VTuber事業」「eスポーツ事業」など時代の流れに合わせて新しいことをしています。

生活・健康関連事業

生活・健康関連事業では総合型スポーツクラブや24時間営業のトレーニングジム、スイミングスクール等の運営事業を行っています。スポーツクラブは子会社が「TIPNESS(ティップネス)」を運営しています。店舗数は全国で約170店舗を運営しています。

不動産事業

不動産事業では土地賃貸やビルマネジメントの清掃・警備・設備などを行っています。また大要綱発電も行っています。今はどのテレビ局の不動産事業である程度利益を出しています。汐留の日本テレビタワーはグループ総資産の15%超とも言われています。

業績について

今回は日本テレビホールディングス社の決算資料から一部抜粋してみていきます。

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2020年時点では売上・営業利益共に前年比マイナスと厳しい状態となっています。ただ日本テレビは 売上高、営業利益ともに業界首位に立っている状態です。テレビ業界の中でのパフォーマンスは良い方です。

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営業収入も落ち込んでいます。コロナ禍で広告収入も減っているのも要因です。ただ動画配信サービスの新規会員増加やテレビ広告は回復傾向にあるようです。

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他局と異なりしっかりメディア・コンテンツ事業で利益をあげています。スポーツジムはコロナの影響で低調が続いています。

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メディア・コンテンツ事業の売り分けです。映画・通販などコンテンツの活用により売上が伸びています。コンテンツ勝負の世界なのでここで利益を出せているのは強いです。

<株価>

企業分析-日本テレビホールディングス株式会社(9404) 株価

※2021年6月時点

日本テレビホールディングス社の株価はここ最近やや右肩下がりでしたが、コロナ禍で広告需要は低下したものの、巣ごもり需要などもあり有料会員も増えやや回復しています。また新規でeスポーツ事業などもあるので今後期待されています。

3C分析

今回は日本テレビホールディングス社を3C分析で見ていきたいと思います。

Customer(市場・顧客)

テレビ業界の市場規模はやや下落気味で、テレビ広告費も連続で減少となっています。デジタルメディアの台頭により広告費がインターネットに流れている為です。PCやスマホで動画が簡単にみられるようになり動画広告や検索エンジンの広告などに企業は広告を出稿するケースが増えているということです。実際にテレビの視聴時間とネット利用時間はネット利用時間を超えようとしています。おそらく若い世代だけで見るとネット利用時間の方が多いでしょう。その為テレビ市場だけで見ると市場規模は縮小傾向にあるでしょう。

Competitor(競合)

テレビ局の競合と言えばフジテレビ社やテレビ朝日社などよく比較されると思いますが、最近はそれだけではなくYoutubeを運営するAlphabet社やストリーム動画配信サービスを展開するNetflix社なども今では競合といっていいでしょう。若い世代はテレビ離れとなっているのでテレビ局以外の企業は競合となっていると考えられます。

Company(自社)

他局と比較すると番組改変を行わないというのは有名でさらにテレビ業界が厳しい中では高視聴率をとっています。その為他局と比較しても放送収入はトップとなっています。コンテンツの制作力は非常に高いでしょう。またhuluの新たなチャネルを手に入れているのでコンテンツの企画を柔軟に考えられることもプラスになるでしょう。また不動産事業で収益はある程度安定していることは企業存続部分では大きいでしょう。

まとめ

今はコンテンツ戦国時代とも言われています。様々な事業を手掛けていますが、やはりコンテンツが面白くなければ、テレビだろうが、ネット動画だろうがユーザーは見ないと思います。そのコンテンツ制作力はあると思うので今後期待していきたいですね。

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