サイトアイコン 株式投資をゼロから学ぶ「株ゼロ」

企業分析-日本電産株式会社(6594)

企業分析-日本電産株式会社(6594) サムネイル

今回は日本が誇る世界NO.1である総合モーターメーカーである日本電産株式会社の企業分析を簡単にしていきたいと思います。日本電産創業者である永守重信氏は経営者の中でとても有名で米国の「フォーブス」誌で日本長者番付で6位となっています。

日本電産株式会社(6594)の事業全体像

日本電産社は、 精密小型モータ製造世界最大手として日本を代表する企業です。精密小型モーターの開発・製造において世界NO.1シェアとなっています。主にどんなモーターを製造しているのかというと、HDD(ハードディスクドライブ)や自動車や家庭用電気機器などに使用されるモーターを製造販売しています。主に事業としては「モータ事業」「機器装置事業」「電子・光学部品事業」「その他事業」となっています。

主に日本電産社のコアはHDD用小型モータの製造でしたが、車載向けの製品に注力しています。次にくる車と言えば電気自動車(EV)です。

上記はモーターの1つ。 軽量・高出力・省スペースを実現させたもの主に電気自動車(EV)に搭載される予定です。ちなみに日本電産社は電気自動車(EV)に1兆円もの投資をすると方針を明らかにしています。また電気自動車で抜きに出ている米テスラへのEV用駆動モーターの供給に意欲を見せています。

世界のシェアは1つのモーターだけではなく、様々なモーターで世界シェアを占有しています。スマートフォンや車など時代とともにモーターも進化して日本電産は製造販売をしています。


創業は1973年と歴史が長く今ではグループ会社は337社とかなり大きくなっています。M&Aも積極的におこなっています。創業者である永守重信氏は経営者の中でもとても注目されていて卓越した経営手腕によって会社を大きくしていきました。

業績について

今回は日本電産社の2021年3月期第3四半期決算から見ていきます。

第3四半期を前年比と比較すると売り上げ・営業利益・1株利益ともにすべで+となっています。

売り上げ・営業利益ともに右肩上がりとなっています。

大きく伸ばしている部品はおもに車載となっています。コロナ禍の影響もあり家電系の需要が拡大している要因もあります。

全体の売り上げ構成比は家電・商業・産業用のモーターが売り上げの3割を占めています。今後は電気自動車(EV)への投資をしていくので、車載が増えてくるのではないでしょうか?

車載がコロナ禍でやや落ち込んだものの回復傾向にあります。営業利益率も回復傾向にあります。

かつてテレビ業界の技術革新と同じように電気自動車の技術革新が起きているということ。現在は高価格帯となっているが今後が低価格が必要のなってくるようです。

現在EV市場は成長期に入る手前段階となっています。土台作りがとても重要になってくる期間ではないでしょうか?

車載の販売状況です。徐々に増えているのではないでしょうか。

家電・商業・産業用分類では、コスト構造の見直しを検討しています。コスト構造を見直しをすることにより営業利益率を伸ばすことができます。

コロナ禍により巣籠り需要が拡大しています。家電が伸びています。

テレワークの普及が広まっていることによりPCなどの需要も拡大しています。四半期ベースで大きく伸ばしています。

なんと2回も上方修正をしています。営業利益率が向上したことにより1株あたりの利益も大きく変わってきています。

配当は継続して行っていて、さらに継続して増配をしています。配当性向は30%を視野に入れているようです。配当目的の銘柄保有としても優良株と言えるでしょう。

<株価>

株価はコロナショックで一時6,000円を割り込んでいましたが、現在は右肩上がりで急上昇しています。2回の上方修正もあり現在は約2倍以上の14,000円前後の推移となっています。リモートワークの急拡大や電気自動車(EV)市場の注目などで株が買われています。

3C分析

今回は日本電産社を3C分析で見ていきたいと思います。

Customer(市場・顧客)

小型モーターの市場規模は、出荷数量ベースで62億3219万個、 2022年の市場は65億900万個と矢野経済研究所が予測しています。モーター市場として注目されている分野は電気自動車(EV)です。年間の自動車の販売台数は、世界で1億台近くありますが、そのうち電動車(EV)の割合はまだ1%ほど。2030年には3割強に達するとの予測されているので市場も3倍以上になります。市場規模としては今後大きく伸びるでしょう。

Competitor(競合)

小型モーターとして国内トップであるに日本電産ですが、よく競合とされるのは大型モーターに強い東芝・日立、工作機械用モーターに強い三菱電機、車載用軸に小型モーター世界シェア約5割のマブチモーターなどになります。ただ電気自動車(EV)市場への参入となるとさらに競合が多くなります。トヨタ自動車や海外自動車メーカーなどは自前でモーターをつくろうともしています。ドイツのシーメンス、アメリカのGEも競合圏になってくるでしょう。

Company(自社)

今まで多くのM&Aを行ってきました。今まで精密小型モーターと家電等モーターが収益の支えでしたが、今後は車載モーターへ事業投資をしていきます。また創業者である「永守イズム」により子会社も好調です。組織を強くするグローバル経営は他社にはまねできないものでしょう。やや後任が気になる部分ではありますが。

まとめ

コロナ禍でも過去最高益を出した日本電産社。まず事業もそうですが、経営、マネジメントが非常にうまく日本電産の長期存続を支える要素となっているでしょう。モーターも身の回りいたるところに使用されています。電気自動車(EV)もそうですが、ロロボット・ドローンなどにも実は利用されています。今後モーターの需要は今以上に伸びてくるでしょう。

あわせて読みたい

モバイルバージョンを終了