企業分析

企業分析-株式会社神戸物産(3038)

今回はメディアでもたまに見かける「業務スーパー」を手掛ける株式会社神戸物産(3038)の簡単な企業分析をしていきたいと思います。

株式会社神戸物産(3038)の事業全体像

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神戸物産社は業務用スーパーを運営している企業と認知されていますが、農畜産物の生産から製造加工、小売業など商品の製販を一体を展開する事業を行っています。1985年創業で2006年に上場し2013年には東証一部に昇格しています。神戸物産社の事業としては大きく3つあります。「業務スーパー事業」「神戸クック事業」「エコ再生エネルギー事業」です。

業務スーパー事業

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業務スーパー事業では「業務スーパー」として小売店舗を運営しています。主に業務用食品の販売を手がけるフランチャイズチェーン方式のチェーンストア展開をしています。全国各地に店舗を構えていて約900店舗あります。業務用と言われていますが、今はファミリーなど消費者向けにも人気でメディアでも特集が組まれるほどです。FC化しているのでロイヤリティー収入もありますが、通常のFCロイヤリティーよりは低く設定されているようで、収益は食品の製造と卸売事業で収益を確保しているようです。 プライベート商品も神戸物産の強みでもあります。

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プライベート商品の比率は近年伸びています。今では30%を超え一番高い推移に。プライベート商品なので粗利率も高いです。

神戸クック事業

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神戸クック事業では「業務スーパー」で構築された原材料の仕入れ、調達などの仕組みを利用してローコストで外食店舗を運営しています。「ワールドビュッフェ」というレストラン、焼肉の「プレミアムカルビ」、や「馳走菜」というお弁当屋さんを展開しています。

エコ再生エネルギー事業

エコ再生エネルギー事業では、太陽光発電を中心とした安心安全なエネルギーの供給を行っています。

業績について

神戸物産社の業績などについてみていきます。

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売上高、営業利益は右肩上がりで上昇をしています。売上比率としては業務スーパー事業が約9割を占めているようで、巣ごもり需要もあり売上、利益共に伸びています。

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業務スーパーの店舗数は順調に伸ばしていて1年間で約60店舗を出店増やしています。ちなみに地域としては地方エリアへの出店を強化しているようです。

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それぞれの事業別にみてみると業務スーパー事業は大きく売上・利益共に伸ばしています。特に冷凍食品の販売が増えたようです。

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神戸クック事業ではコロナ禍のダメージがあり大きくは伸ばしていないものの、堅調に伸びています。一部外食事業を譲渡しているようです。

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エコ再生エネルギー事業顕著に伸びています。営業利益率も改善し伸びているようです。

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配当も継続して行っていて増配も行っています。

<株価>

企業分析-株式会社神戸物産(3038) 株価

※2021年6月時点

神戸物産社の株価はコロナ禍から大きく伸びています。一時1,500円でしたが現在は約2倍の3,000円前後を推移しています。内食需要の高まりを受けて株価が上昇しています。

3C分析

今回は神戸物産社を3C分析で見ていきます。

Customer(市場・顧客)

神戸物産社は9割近く業務スーパーということから小売り・スーパーマーケット業と考えられます。スーパーマーケットの市場規模はコロナ禍で大きく伸びました。20年時点で国内で約17兆円あると言われていて市場規模としてはとても大きいです。

Competitor(競合)

競合としてはスーパーマーケットでいうと業界トップクラスにあるイオン・セブン&アイ・ライフコーポレーションなどになってくるでしょう。同じようにプライベートブランドの展開もしていて商品開発に力を入れています。

地方には地方のみに展開をしているスーパーマーケットも結構多いです。そういったところも競合になってくるでしょう。

またビジネスモデルは異なりますが、商品の安さ・多さで考えると外資系のコストコも競合に含まれて来るかもしれません。

Company(自社)

神戸物産社強みは「製販一体体制」でしょう。食品製造からすべて一貫して運営しているからこそ低価格で商品を提供できています。また店舗運営もFC化しているので固定費がかからずキャッシュフローとしてもいいでしょう。財務基盤としても強いです。プライベートブランドの比率を上げているのも特徴的です。一体体制をしているからこそできる部分です。さらに「業務スーパー」としての認知度は高いです。

まとめ

消費者としてはとてもありがたい存在の業務スーパー。店舗数もこれからどんどん増やしていくようなので期待していきたい企業です。小売業は投資としても、変化を肌で感じれる分野でもあるので面白いですね。

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