企業分析

企業分析-株式会社ALBERT(3906)

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今回は、2005年7月に創業し、数少ない国内AI関連企業である、株式会社ALBERTについての企業分析をしていきます。

ALBERT(3906)の事業内容

企業分析-株式会社ALBERT(3906) サイト

ALBERTの事業コンセプトは『分析力をコアとするデータソリューションカンパニー』としています。
高度なデータソリューションを提供するためのコアコンピタンスである『分析力』
アナリティクス領域における、「マーケティングリサーチ」「多変量解析」「データマイニング」「テキスト&画像解析」、エンジニアリング領域における、 「大規模データ処理」「ソリューション開発」「プラットフォーム構築」「最適化モデリング」の8つのテクノロジーで支えられています。8つのテクノロジーには豊富な実績に裏付けられた、ALBERT独自のアルゴリズムや手法が用いられており、優位性を確保しています。

具体的な事業としては3つあります。

プロジェクト型サービス

プロジェクト型サービスとは、AI活用コンサルティング・ビッグデータ分析・Iアルゴリズム構築とシステム開発・運用が軸となっています。

AI活用コンサルティング

顧客の課題を整理し、AI活用におけるビジネスロードマップを描くためのコンサルティングを行うサービスです。

ビッグデータ分析

ビッグデータ分析やAIアルゴリズム構築とシステム開発・運用を行っています。ビッグデータ分析では、蓄積されたビッグデータを活用し、高度な分析力を駆使したモデリング、精度評価、レポーティング等を行ない、顧客の意思決定と問題解決を支援します。

AIアルゴリズム構築とシステム開発・運用

AIアルゴリズム構築とシステム開発・運用では、
顧客向けにAIアルゴリズムを構築し、システムを開発、その後の運用まで支援します。
データの蓄積から、最適化・予測等までを自動化し提供することで、顧客の課題を直接的に解決します。

継続性の高い受託型プロジェクトによる収益となっています。

自社プロジェクトサービス

自社プロジェクトサービスではALBERT培った分析技術を活用しAIを用いた自社プロダクトを幅広い顧客へ展開。

AI・高性能チャットボット「スグレス」

「スグレス」はAIを搭載した高性能チャットボットサービス。
自然言語でのお問い合わせ自動応答機能や自動学習機能を搭載しており、
運用コストをかけずに回答精度を向上します。また、LINEをはじめ様々なSNSツールと連携でき、ユーザー毎に最適化されたコミュニケーションを実現することが可能。

AI・画像認識サービス「タクミノメ」

ALBERTが開発・提供する「タクミノメ」は、画像認識技術を活用したい企業さま向けの
AI構築支援サービス。“データサイエンティストに任せられる” 受託サービスと、
“自社で誰でも簡単に使える” AI構築ツール提供サービスどちらも提供が可能。課題整理・AI構築・システム開発・運用まですべて支援。撮像・画像生成・アノテーションの支援も可能。

「スグレス」「タクミノメ」はライセンス収益となって安定したストック型のビジネスです。

データサイエンティストの育成

AI・分析プロジェクトの実績から培ったノウハウを活かし、独自の実用的な育成支援を数多くの企業へ展開。

分析プロジェクトを通じて、企業内でデータサイエンティストとして活躍を期待される人材に対して、分析知識やスキルを習得するための育成を支援。
データサイエンティストとして求められる「ビジネス力」「データサイエンス力」
「エンジニアリング力」の3つのスキルを集結したプロジェクトチームを編成することで、お客さまの課題整理、AIアルゴリズム構築、システム開発、運用まで一気通貫で提供。データサイエンティストの育成は、受託型プロジェクトによる収益です。

業績について

ALBERTの2019年12月期 第3四半期から業績を見てみます。

企業分析-株式会社ALBERT(3906) 画像1

売上は上昇傾向です。ただまた投資期間のようです。

企業分析-株式会社ALBERT(3906) 画像3

ALBERTのはCATALYST(触媒)戦略を掲げています。
各産業と横断的に関わることにより、AIアルゴリズム・データの触媒機能となり、
産業間のAI・データシェアリングを促進し、AIネットワーク化社会を目指す。というもの。ビッグデータ分析・アルゴリズム開発(共同開発プロダクト含む)・システム実装を
一気通貫で担い、データ社会における中心的なポジショニングを確立させるのが狙いです。

企業分析-株式会社ALBERT(3906) 画像4

CATALYSTパートナーマップです。それぞれの業界のリーディングカンパニーとしっかり業務締結をしています。特にトヨタ自動車が高い技術を認めている点が報道されると株価も大きく上昇しました。

今後のフェーズはCATALYST戦略の具現化(収益機会創出)としていくフェーズ。

企業分析-株式会社ALBERT(3906) 株価

現在の株価です。※2020年5月

コロナショックにより大きく下がっておりますが、回復傾向にあります。

PEST分析

今回はPEST分析でALBERTを分析していきたいと思います。

Politics(政治的)

政府によるAI人材の育成計画始動している。今後、多方面で人材育成に対する意識が高まることが期待される。

※ALBERTは経済産業省の「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」に認定されています。

Economic(経済的環境要因)

AIビジネスの国内市場は、2020年に1兆20億円、2030年には2兆1,200億円に達すると予測されていてAI関連の市場は、驚異的なスピードで拡大していくということが考えられます。

Social(社会的環境要因)

・成長著しい市場である反面、データサイエンティスト不足は強まる見込み。
政府によるAI人材の育成計画が始動し、今後、多方面で人材育成に対する意識が高まることが期待される。

・国内が人手不足となるのでAI活用での効率化が必須となる。

Technological(技術的環境要因)

5GによりIOT化がより進むでしょう。ビッグデータの活用が必須になってきます。

まとめ

AI業界は常に投資家から注目されています。その中でもALBERT 取引先はナショナルクライアントと言われる大手案件が多い印象です。
トヨタ自動車、東京海上日動、KDDI、三井純友フィナンシャルグループ、マイクロソフト、日本ユニシスなど。
さらにMLaaS(Machine Learning as a Service )の機能拡充に向けた共同開発の為に株式会社ABEJA業務締結しています。ABEJAもAI業界の中では注目をされています。
まだ大きく収益に貢献するものではないですが、国内だけではなくグローバルでAI分野は注目されておりその分ライバルも多いです。その中で生き残っていけるのか、成長分野だけに注目です。

※参照:株式会社 ALBERT 2019年12月期 第3四半期 決算説明資料

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