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企業分析-ソフトバンク株式会社(9434)

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今回は日本の大手三大キャリアの1つであるソフトバンク株式会社(9434)の企業分析を簡単にしていきたいと思います。ソフトバンクグループから子会社化してさらに上場したことで個人投資家の中でも話題になりました。

ソフトバンク株式会社(9434)の事業全体像

ソフトバンクと言えば携帯電話というイメージが強いでしょう。もちろんモバイル通信キャリアとして事業を展開していますが、それ以外にもインターネット・電気・ロボット・法人向けサービスなど様々な形で展開をしています。実はモバイルの通信料は売り上げの約3割程度しかありません。

子会社であるYahoo!Japanはあります。そのYahoo!Japanの売り上げ構成比が高いですが、事実モバイル通信だけで成り立っているのではないのです。

1つ1つのサービスをここで紹介していると長くなってしまうので割愛しますが、ソフトバンクが目指すのはICTトップ企業の集合体です。※ ICTとは情報通信技術のことを指します。

今まではモバイル通信キャリアとして携帯電話や法人向けにインターネットサービスを展開していましたが、現在は子会社にYahoo!JapanやZOZO、PayPay、LINEなどもあり総合的にインターネットサービスを展開できるようになっています。海外のGAFAと呼ばれる巨人企業に対抗するために様々な企業が団結しています。そのトップにソフトバンクがいるという構造でもあります。

現在ソフトバンクが力を入れているのが5G・6Gの分野です。通信速度が飛躍的に改善されるので今後大きくマーケットが広がると考えられます。そこでソフトバンクの成長戦略の1つとして5G・6Gへの投資を掲げています。

ソフトバンクの特徴としては、株主が非常に多いという点があります。日本最大の91万人がソフトバンクの株主となっていて人気が高いです。

親会社であるソフトバンクグループ社が多く保有率としてはもちろん多いですが、実は個人投資家や機関投資家の保有率が大きく伸びているのです。

人気の理由の一つとしては高配当の優良株だからということもあります。他上場時に証券会社が個人投資家に営業をかけて保有してもらったなども背景があることは確かではあると思いますが…CMまで売ってましたから。

業績について

今回はソフトバンクの2021年3月期第2四半期決算から見ていきます。

売上高はコロナ禍でも増収を継続しています。

売り上げの内訳をみてみるとコンシューマ(モバイル通信など)がやや落ちていますが、Yahoo!社が大きく売り上げを伸ばしています。

営業利益でも継続して増益をしています。

同じく営業利益でもYahoo!社が大幅に増益しています。コロナ禍でEC部分の好調が目立つようです。

法人事業も好調で7%の増収となっています。

特にテレワークの需要拡大によりインターネット関連サービスが好調に伸びました。


クラウドやセキュリティなど在宅ワークで注目されている分野の伸びが目立ちます。

コンシューマ部分はそこまで伸びていません。モバイル市場は成熟してしまっているので今後もあまり伸びは期待できないしょう。

Yahoo!社の売り上げを細かく見てみるとやはりEC部分の伸びが目立ちます。

国内最大のファッション通販サイトであるZOZO社部分も入れると30%増益という数字になっています。

PayPay事業も好調で利用者を大きくの伸ばしています。最近はワンタップバイと連携して証券への取り組みをスタートさせています。今後資産運用サービスを実装していくようです。

ちなみに現在のPayPayのユーザー数は3,300万人を突破しています。加盟店申込数260万カ所 月平均決済回数1.6億回となっています。国内の他決済アプリと比べると圧倒的な数字となっています。

個人投資家に人気な理由としては配当です。毎年減配なく配当をしていて還元率が良いとされています。配当目的の個人投資家たちに高配当株・優良株として注目されています。

<株価>

株価は上場時と大きく差がありません。良い意味で株価は安定していると言えるでしょう。配当目的が多いのでマクドナルド社のように株価にあまり動きがないのかもしれません。

3C分析について

今回はソフトバンクを3C分析で見ていきたいと思います。

Customer(市場・顧客)

モバイル市場は成熟していますが、実はスマートフォンの普及率はまだ人口の70%程度と言われています。その為スマートフォンの新規契約はまだ微増の余地はありそうです。

ソフトバンクが集中的に投資している5Gの市場規模はRAN市場で約2024年には2,939億円、インフラ市場は2000億円超とされています。5G関連デバイスの世界市場規模はメーカー出荷金額ベースで11兆889億円とされていて5G業界は今後大きく市場拡大していくでしょう。

Competitor(競合)

通信キャリアの競合と言えば、NTTドコモ・KDDIとなります。携帯電話契約数はNTTドコモがシェア4割でトップで次いでKDDIで次がソフトバンクとなっています。また売上高はKDDIが首位になることも多くソフトバンクは後発でもあるのでやや負けています。

最近は楽天も通信キャリアに参入してきているので少々構造が変わってくる可能性があります。まだ携帯電話の値下げ競争も始まりました。業界内で動きがあるようです。

Company(自社)

通信キャリアのみで競合と比較するとやや負けている部分がありますが、非通信分野で大きく差を広げています。LINEやYahoo!、ZOZO、Paypayなど、国内インターネットサービスの大手を抑えています。さらにそれに加えて5Gをかけ合わせることができるのが強みです。

まとめ

通信キャリアのイメージのソフトバンクでしたが今後非通信分野でどのくらい成長できるのかに期待していきたいところです。銘柄としては高配当の優良株ではあると思うので配当目的で長期投資もありだとは思います。

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