今回は2019年に新規上場しスマートデバイスや家電などに組み込みソフトウェアを開発販売をしている株式会社ヴィッツ(4440)の簡単な企業分析をしていきます。
株式会社ヴィッツ(4440)の事業全体像
ヴィッツ社は組込み製品のソフトウェアや自動運転用開発ソフトである、リアルタイムOSの受託開発と販売、組込みソフトウェア等の研究開発を主な事業としています。コンサルティング業務も行っています。大きく事業としては収益の柱となる「組込サービス事業」「システムエンジニアリング事業」「トラストシステムコンサルティング事業」の3つなっています。
売り上げの比率としては組込システムが半分以上を占めています。組込みシステムは最終的にスマートフォンを始めスマートデバイスや家電に組み込まれています。電子制御するものには必須な部分を提供をしています。
システムエンジニアリングでは自動運転の開発ソフトを開発しています。自動車メーカーに対して「組込セキュリティサービス」「組込セキュリティ教育」も提供しています。
収益として安定している事業はエンジニアリングサービスです。主な顧客としてはパナソニックグループやトヨタ自動車グループが主要顧客となっています。
現在市場で注目されているMaaS市場やCASEという分野において必要な技術のノウハウがあります。
今後先行してエンタメ事業等に投資を積極的に行っています。
投資を行っている理由としては、今後エンジニアリングからデジタル総合サービスへの変革を目指しています。サービス業に進出しようとしています。 商業施設やエンタメと交通を組み合わせた地域密着型をMaaS分野では模索しているようです。
またヴィッツ社がブロックチェーン関連銘柄としても注目されています。提供しているブロックチェーンサービスは、MaaS(Mobility as a Service)の プラットフォームである「WITZMaaSプラットフォーム」。この 「WITZMaaSプラットフォーム」 を活用することで予約決済が簡単になりより交通手段を使いやすくなります。またデータを大量に取得することができ、広告配信などにも活用することができます。まさにプラットフォームです。
業績について
今回はヴィッツ社の2021年8月期決算から見ていきます。
連結業績予想であ、やや営業利益、経常利益が新型コロナウィルスの影響で下落すると予想。
売り上げ推移としては右肩上がりで上昇をしています。組込ソフトウェアの市場は、新型自動車開発投資、自動運転実用化研究投資、IoT(モノのインターネット)デバイス開発が盛り上がっていて、受注は好調となっています。
<株価>
ヴィッツ社の株価は上場後2020年8月頃に最高値を更新しています。そこからやや下がり気味ですが、MaaS関連銘柄やブロックチェーン関連銘柄として材料があるのでやや上昇傾向にあるようです。
3C分析
今回はヴィッツ社を3C分析で見ていきたいと思います。
Customer(市場・顧客)
組込みソフトウェア市場はデジタル機器の需要拡大により市場は伸びています。特にIoTが今後普及していくと考えられます。世界市場では2兆円規模まで広がると予測されています。特に自動運転等の車載への市場の伸びが考えられます。どの分野でも約1.5倍以上伸びると考えられています。 2030年の車載ソフトウェア国内市場や2.62倍、 2030年の車載リアルタイムOSは国内市場33倍(2015年比) まで伸びると予想されています。
Competitor(競合)
組込ソフトウェア開発会社の競合としては、2018年10月上場のイーソルなどが競合になります。他には富士ソフトやエクスモーションも比較される企業です。組み込みソフトウェアでも金融系に特化して強い企業やIoTに強い企業など分野でやや変わってきます。
Company(自社)
ヴィッツ社の強みは中核となる技術をすべて提供できる点です。その中でも自動運転開発支援や人工知能活用技術に強みを持っています。今後注目される市場に提供できる技術があるのは今後期待できます。
まとめ
ヴィッツ社が提供する組込ソフトウェアは電子制御を伴った家電、電気炊飯器やデジタルテレビ、そして自動運転自動車といった様々な電子機器の動作に不可欠です。さらに機器のIoT(モノのインターネット)化が進むので恩恵を享受するのではないでしょうか?今後に期待していきたいです。