企業分析

企業分析-Kudan(4425)

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今回は元々同社の基盤となる研究開発をイギリスで進めていて日本で2014年設立し
4年後の2018年に上場した、AI業界において注目株「Kudan(4425)」について調べていきます。

Kudan(4425)の事業全体像

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Kudanの前身はKudan Limitedというイギリスで研究開発していた会社が基になっています。現在はKudanの完全子会社となっています。

Kudanの事業内容は、「人工知覚=AP」の研究開発、サービス提供を行っています。人工知覚とは、Artificial Perception (人工知覚技術)と呼ばれ、いわゆる機械・ロボットの目、視覚となる次世代のAIやドローン、自動運転などあらゆる分野に欠かせない、もしくは応用できる技術になります。
この人工知覚は、AI等が適切な判断を下せるように周囲の状況を理解する役割を果たします。AIが脳の役割を果たし、APは眼の役割となります。つまりは、AIを補完する役割になってきます。
Kudanは現時点では、その技術(ソフト面)をライセンス化して企業にサービス提供しています。

「KudanSLAM」

KudanSLAM(スライム)はソフトウェアライセンス化しているサービス。KudanSLAMは、Simultanious Localization And Mapping の略で3D空間認識ソフトウェア技術となっています。

カメラ画像やセンサー情報を用いて、得た情報から現時点で自分がどこにいるのかを予測・把握することができます。さらに3Dの地図を作製したり、物体までの距離を把握できます。二次元の情報から周囲の三次元の立体地図、自己位置、姿勢の推定をすることができます。まさに人の目のような役割を果たしています。

KudanSLAMの特徴は技術を組み込むときの柔軟性のようです。どんなハードウェアにもこの技術を組み込めるようです。その為業種業態を問いません。
専用のハードウェアは必要ないので導入のハードルも高くないでしょう。その為、比較的安価なものでにも実装可能となっています。

Kudanの収益の構造は、KudanSLAMのライセンス収益が中心となっています。
また他には研究開発用に技術提供するライセンス契約も収益となっています。小売りではないので、在庫リスクなどはなく、一度契約をしてしまえば長期的に利益を安定して獲得することができます。またAI関連の研究開発する企業は大手が多いので
資金も十分にあると言えるでしょう。

AIという今後必ず伸びてくる成長産業、そしてそれに必要なAP(人工知覚)。AP(人工知覚)普及と応用可能性から、特定の技術領域や産業での利用に限定されず幅広い範囲で引続き高成長が見込まれています。

業績について

Kudanの直近の業績を2020年3月期決算発表資料から見ていきます。

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欧米の事業開発立ち上がり遅延や新型コロナウイルス感染拡大の影響があり、欧米含む特に日中案件の遅延・縮小により、売上未達となったようです。一方、事業開発体制構築、コスト実績等計画通り着地しています。

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2021年3月期業績予想は、2020年3月期からの売上高計上期ズレと各主要エリアにおける
新型コロナウィルス感染拡大の有無・影響が不透明であるという理由から売上高のみの
レンジを開示。着地売り上げ予想は約+50%ぐらいの増加。

Artisense社への出資と買収

Kudanは、米国のArtisenseグループの持株会社であるArtisense Corporationとの業務提携契約。両社の技術統合によって研究開発を進めていくようです。

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Artisense社は、世界トップレベルの技術チームが所属。
AI業界も世界中で人手不足となっていて人材獲得の競争が激しくなってきています。
それを見据えた出資・買収となっているでしょう。
両社がそれぞれ得意とする技術分野を活かすと共に、両社が築いてきたグローバル拠点や
販売チャネル等の経営資源を相互に活用し、それぞれの顧客に対して最適なサービスを提供することを目的としています。

国内の業務締結

日本国内でもKudanは業務締結をいくつかしています。

半導体商社のマクニカ

半導体やセンサーシステムに関連する最先端の技術含め、自動運転用高精度地図などの技術的課題の解決に向け協業を発表。

システム開発の日本ユニシス

自動運転やMaaS分野で空間制御などの領域に向けたサービスやソリューションを共同
協業を開始すると発表。

<株価>

上場後、最高値は 25,160 円をつけ投資家から注目されていました。ただコロナショック等の要因で株安になり現時点では下落しています。

3C分析

今回はKudanを3C分析のワークフレームから少し見ていきます。

Customer(市場・顧客)

顧客は企業でありその中でも大手中心。またコロナショックの影響によりリモートワーク推進化や少子高齢化などによる省人化、そして自動化が求められている。その為今後ますます、ロボットの活用需要が拡大すると考えられます。米国子会社の設立により北米市場で更なる事業拡大中。

ちなみに車載カメラの投入ポテンシャルは1000%(平均的に10個/1台)到達すると
言われている。

Competitor(競合)

AI関連の自体の企業が国内では数少ないが、さらにAPという分野を研究開発している企業はありません。その為国内市場は独占しているといえます。特に商用レベルのAP技術はKudanが独占。
AP技術は自動運転やIoTなど、広範な応用領域で需要が急拡大しているため長期成長が期待できます。

Company(自社)

上記で記載している通り Kudanの技術ではカメラの映像を手掛かりに、ソフトウエアで空間の状況を瞬時に把握できる。
様々なセンサーや周辺機器などに組み込むことができ柔軟に行える。幅が広い。
その為今後の自動運転・IOT・ドローンなど成長分野での活躍が期待される。また、Kudanは世界的なコンピュータビジョン企業と世界からも評価されている。

まとめ

今後あらゆる産業を下支えする深層技術であるAP技術。まだまだこれからの成長市場だと思います。短期的な売り買いではなく
世界の先端技術企業から注目を集めているKudan。長期的に投資を検討するのであればもってこいな銘柄。

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