企業分析

企業分析-PKSHA Technology(3993)

今回は国内で数少ないAI企業として注目されている東京大学発のベンチャー企業で2012年に設立し2017年に上場したPKSHA Technology(パークシャテクノロジー)について分析をしていきます。

PKSHA Technology(3993)の事業全体像

PKSHA Technologyは、アルゴリズム開発・提供している会社です。自社製アルゴリズムをモジュール形式と自社ソフト形式で販売する事業を展開しています。
※モジュール形式とは企業のソフト・ハードウェア等に合わせてアルゴリズムを組み込みライセンス料をもらう形式。

■提供サービス
「BEDORE」
→自然言語処理技術を用いた汎用型対話エンジン
 顧客情報のデータ分析の自動化・優良顧客の離反防止・新規顧客の促進の定着を支援

「CELLOR」
→機械学習を用いたCRMソリューション
 コールセンターや接客の自動化を実現を目指す

「HRUS」
→物体検知や物体の認識も実現

「PKSHA Vertical Vision」
→領域特化型の画像認識エンジン
 風景や人物、レントゲンまでとあらゆる画像を解析する

「PREDICO」
→顧客行動に関する未来予測エンジン

自動応答エンジン「BEDORE」の導入が加速しています。人手不足解消に企業が動いているようです。

アルゴリズムを提供している為、1度組み込むと企業としては解約しにくくなるモデルであるでしょう。利用すればするほど、データがたまり機械学習(ディープラーニング)するのでアルゴリズムが賢くなり向上するからです。ユーザー体験も向上します。またマネタイズはライセンスフィーとなっていてストック型モデルなので収益も安定をしていきます。

売り上げの比率としては、モジュールとソフトウェアがほぼ半々という割合です。
ややソフトウェアの割合が多くなっています。

アルゴリズムモジュールは、金融、電力、広告、小売、医療、製造、セキュリティーなど
領域が多岐にわたる企業が導入をしており、どんどん増えています。

現在のクライアントはナショナルクライアント(大手)がほとんどの割合を占めています。
※トヨタ自動車、NTTドコモ、伊藤忠商事、電通などただ、今後の展開はミッドマーケットにも展開を検討しているようです。

業績について

2019年9月期 通期決算によると、
・売上高:30億6,100万円(前年同期比+103.6%)
・営業利益:7億2,000万円(前年同期比+20.9%)
・経常利益:5億9,200万円(前年同期比+0.7%)
・四半期純利益:4億900万円(前年同期比△32.9%)

営業利益、経常利益はアイドラ社買収および資⾦調達に伴う費用等の増加が原因で下振れ。

※2019年7月5日 株式会社アイドラ(東京都新宿区)の全株式を取得。取得価額は2,802百万円。アイドラは、駐車場機器の製造販売および駐車場運営受託事業を展開。
IoT 端末による情報収集から顧客への製品・サービス提供までのバリューチェーンを垂直統合することで、自社グループの提供するアルゴリズムの付加価値の最大化を図るのが目的。

では次はPEST分析で簡単にPKSHA Technologyを見ていきたいと思います。

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