今回は、国内ドローン専業メーカーとして有名な株式会社自律制御システム研究所について簡単に企業分析をしていきたいと思います。 自律制御システム研究所は千葉大学で誕生した日本発ドローンスタートアップであり2018年に上場しています。
株式会社自律制御システム研究所(6232)の事業全体像
自律制御システム研究所社は、産業用のドローンを開発・販売している企業です。 郵送物流・インフラ点検・防災災害対応・エマージングユースケースなど様々な形でのドローン実装を行っています。 「ドローンは、空の産業革命をもたらす」という企業理念から幅広い分野でドローンの開発販売をしています。
その中でも社名にもあるように自律制御システムを搭載したドローンが中心となります。 自律制御システムとは「脳」の部分になり完全自律飛行に必要な姿勢制御や飛行動作制御、画像処理による自己位置推定、環境認識が可能な技術のことです。
その技術力と機体のハード、アプリケーションやソフト等の新技術を組み合わせたのが同社が開発している商品を販売しています。
ビジネスモデルとしては、 ドローンによる課題解決の概念検証やそれを踏まえた特注システム開発、量産機体の販売までを一気通貫で行い販売後の運用サポートも行う仕組みです。
各クライアントの課題に対して合わせた概念検証からソリューション提供までを一括で行い、収益を上げているモデルとなっています。その中でも強いのが
■郵送・物流ソリューション
■インフラ点検ソリューション
■防災・災害ソリューション
■エマージング・ユースケース
としてのソリューションが強みのようです。
様々な取り組み
ドローンを活用したパートナーとの連携が様々あります。大手企業との取り組みが目立ちます。
※参照: 2021年3月期第2四半期決算説明資料
業績について
今回は自律制御システム研究所社の2021年3月期第2四半期決算から見ていきます。
新型コロナウィルスの影響で案件実施が遅れて売り上げは減少したようです。全体的に直近はコロナの影響があるようです。
中期的には小型空撮機体を中心に販売し利益を追求していくようです。事業の基盤を作ることが優先的には重要のようです。
<株価>
※2020年12月現在
株価に関しては、一時国内ドローン専業企業として注目をされ5,000円後半で推移していましたが、徐々に調整がありコロナ禍で一時2,000円を割れてましたが現在は2,800円程度まで回復しています。
PEST分析
今回は自律制御システム研究所をPEST分析で見ていきたいと思います。
Politics(政治的)
ドローンを飛ばすとなるとまず国内規制を考えなければいけません。まずドローンを飛ばす場合、 飛行許可申請が必要です。簡単には飛ばせないのです。 ただ、航空法の一部が改正され、平成27年からドローンの飛行ルールが新たに設けられています。 重量が200g以上のドローンの飛行に際しては、航空法の規制が適用されることになります。
ドローンは中国が最先端を行っていますが、政府は中国製ドローン購入を排除しています。
その為国内製のドローン需要が拡大しています。
Economic(経済的環境要因)
ドローンの市場に関しては、少々古いですが、インプレス総合研究所が出している「ドローンビジネス調査報告書2018」2017年度の国内におけるドローンの市場規模は503億円と推測されている。驚くべきは今後の成長スピードで、この値が2018年には860億円、2024年には3,711億円と2017年の約7倍にまで成長すると予測されています。市場としては今後伸びていくことは間違いないでしょう。
Social(社会的環境要因)
新型コロナウィルスの影響で働き方改革や効率化がより重要視されるようになりました。ドローンを利用することによる企業のメリットはまず効率的になることが考えられます。またビッグデータなども合わせて活用することができるようになるので物流やインフラ部分での利用は必須になってくるのではないでしょうか?また災害が起こった際にの利用には希望があります。また労働人口が減っていて日本は課題とされています。
Technological(技術的環境要因)
「世界の誰も追いつけない」 という高性能な 「 フライトコントローラー 」 と 「自律制御」の技術力が高いのが特徴的。 フライトコントローラーは加速度・気圧センサー、そしてGPS(全地球測位システム)情報などを処理・制御するコンピューターです。 自律制御システムはカメラに映った画像から周囲の状況を把握し、ドローンが自機の位置を推定することができるものです。この2つの技術が自律制御システム研究所を支えています。
まとめ
ドローンはここ数年注目されている市場です。またその中でも国内で上場している初のドローン専業会社として自律制御システム研究所社は注目されています。実証実験と利益構造のバランスを保つのが難しいところです。また中国のドローン事業が進んでいるので国内だけではなく海外からも今後注目される企業になってほしいところです。