企業分析

企業分析-株式会社オハラ(5218)

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今回は、日常生活で使用しているスマートフォンや、自動車、カメラなどに欠かせないガラスを製造販売をしている株式会社オハラ(5218)の企業分析を簡単にしていきたいと思います。

株式会社オハラ(5218)の事業全体像

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オハラ社は、生産量日本トップを誇る光学ガラスの老舗メーカーです。設立は1944年と約80年以上の歴史がある企業です。光学ガラスではパイオニア企業です。光学ガラス分野では日本だけではなく世界中からみても代表的なメーカーとして有名です。光学ガラスとは、あまり聞きなれない言葉ですが、簡単に説明すると一般的なガラスに比べ、透過率の波長依存性が少ないことや屈折率が高い特徴があり一定の光学的機能をもつことができます。この光学ガラスは様々な製品で使用されています。

■オハラ社が手掛ける光学ガラスの製品 ※一部

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光学ガラスは自動車からデジタルカメラ、スマートフォン(カメラ)や内視鏡などに利用されています。

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主に事業としては「光事業」と「エレクトロニクス事業」の2つがあります。

光事業

光事業では、交換レンズ、監視カメラ、医療機器(内視鏡など)に必要な光学ガラスを製造販売をしている事業です。売り上げ比率としてはレンズ式カメラの割合が高い傾向にあります。オハラの収益の柱はこのレンズ式カメラとなっています。

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エレクトロニクス事業

エレクトロニクス事業では。半導体関連やプロジェクターやスマートフォン関係などの特殊ガラスを製造販売をしています。通常の光学ガラスではない特殊なガラスをこちらで製造しています。有機EL分野で需要がある極低膨張ガラスセラミックスや石英ガラスなどを製造しています。

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光学ガラスだけではなく、全固体電池分野でオハラ社は注目されていて、 リチウムイオン電池向けにガラスセラミック素材を利用した添加剤を開発した実績があるとして個人投資家や機関投資家か注目されています。

また他にも5G関連銘柄としても注目を浴びていてオハラ社通信機器向けのガラス素材に注目が集まっています。

業績について

今回はオハラ社を2021年3月期第2四半期決算から見ていきます。

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20年の成績としては全体的に前年比よりもマイナス傾向です。光事業、エレクトロニクス事業共に伸び悩んでいます。

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光事業単体の数値です。光学プレス品の売り上げが下がっています。レンズ式カメラの市場縮小が響いている可能性はあるでしょう。

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エレクトロニクス事業もやや下げている状態でしたが、コロナショック以降やや回復傾向にあります。

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中期的にはやはりデジタルカメラ市場が縮小していくので新商品で売り上げを確保していくようです。その中でもGMOという新商品に期待がかかっています。

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光事業の低迷をエレクトロニクス事業でカバーをして最終的には収益をそれぞれ50:50で収益基盤を支えるようです。

<株価>

企業分析-株式会社オハラ(5210) 株価

オハラ社の株価はやや右肩下がりです。コロナショックで一時1,000円を割り込む展開でしたがそこから回復傾向にあり2倍ほど伸びています。

3C分析

今回はオハラ社を3C分析で見ていきたいと思います。

Customer(市場・顧客)

デジタルカメラ市場はスマートフォンの普及により縮小傾向にあります。ただ、国内市場はミラーレスカメラ支持が特に強い傾向にあります。出荷数はやや回復傾向にもあり2020年では、はじめて100万台を突破しています。今後大きく伸びることはなさそうですが、そこまで大きく縮小はしていないようです。

また注目されている5G市場や全固体電池市場では今後の市場が大きく成長する可能性が高いのでそちらに注力できるかも重要ではないでしょうか。

Competitor(競合)

競合でよく名が挙がるのは、精工技研社、シグマ光機社、タムロン社などになります。大きくガラス業界とすると HOYA、日本板硝子なども競合になります。日本のガラスメーカーは海外進出を積極的に行っています。光学ガラス分野ではオハラ社はトップクラスですが、液晶用ガラス、板ガラスなど分野が違うメーカーと比較すると時価総額などは小さいです。

Company(自社)

オハラ社は、 「研究開発」「生産工程」「品質保証」に強みがあります。 研究から生産まで行えるので、一貫生産に強みがあります。またセイコー、キヤノンが大株主ともなっているので資本も潤沢にあり研究開発を積極的に行うことが可能です。また光学ガラス1つとっても150種類以上ラインナップがあり多様な商品に対応可能な技術力があります。

まとめ

老舗メーカーとして確固たる技術力は他社には真似できない強みになっていると思います。デジタルカメラ市場が縮小傾向なので次はどのフィールドで戦っていくのか。とても気になります。注目される関連分野に入ることができるので期待していきたいです。

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