企業分析-イーレックス株式会社(9517)

企業分析
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今回は再生可能エネルギーに関する事業を進めているイーレックス株式会社の企業分析をしていきたいと思います。

イーレックス株式会社の事業全体像

イーレックス社は1999年に、日短エナジー株式会社として設立され、翌年の2000年にイーレックスと商号変更しました。

電力小売が主力であり、販売関連子会社を4社保有しており、再エネ電力の拡大に注力しています。また、国内で複数のバイオマス発電事業を開発しています。

2016年の電力小売全面自由化により、多数の電力会社が誕生しましたが、同社は特定規模電気事業者として3番目に登録した老舗の電力会社となります。

事業構成としては、「燃料事業」、「発電事業」、「トレーディング事業」、「小売事業」となります。

燃料事業

燃料事業とは、バイオマス発電の燃料となるPKS(パーム椰子殻)や木質ペレットなどを調達する事業です。

植物はCO2を吸収しているため、それらを燃料として燃やしたとしてもCO2はトータルでゼロとなることから、これらはバイオマス資源として、環境に優しい燃料とされています。

そもそも、バイオマスとは動植物由来の生物資源の総称です。PKSとは、ヤシの実の殻であり、木質ペレットというのは、木材を細かく粉砕して圧縮形成して作った木質の固形燃料です。

燃料事業では、後述する発電事業のための燃料や他社に外販するための燃料を国内外から調達する事業となっています。

発電事業

発電事業は読んで字の如く、発電所を作って発電する事業です。上述の燃料事業で調達したバイオマス資源を燃料として、主にバイオマス発電所を開発しています。

国内では、4箇所の発電所がすでに稼働中であり、発電容量は22万kWと日本最大規模となっています。

また、新潟では世界最大級のバイオマス発電所の開発を計画しており、2026年の運転開始を予定しています。大規模な発電所となると、燃料調達が重要となっていますが、自社で燃料調達している同社は、その面出の競合他社よりも優位性があるといえるでしょう。

トレーディング事業

トレーディング事業は、電力調達と需給バランスの調整を担っています。電力供給は、停電にならないように24時間の供給が必要です。同社の場合は、バイオマス発電所がありますが、それでも足りない分はトレーダーが電力市場から調達することになります。

小売事業

小売分野では、家庭用電気メニューなどの低圧領域や、法人向け電気メニューなどの高圧領域の双方に進出しています。

東京電力や沖縄ガスなどと合弁会社を設立しており、他社と協業しながら小売事業を全国展開しています。様々な企業が電力事業に進出している中、販売電力量ランキングも上位に食い込んでおり、さらなる成長が見込めます。

業績・財務・市況について

では、以上の事業によってどのような業績を上げているかを見てみましょう。

業績

2021年3月期の決算説明資料を見ます。売上高は対前年同期比で60.1%増、営業利益も70%増とまさに絶好調です。

2022年3月期の計画も見てみましょう。売上高は11.7%増となっている一方で、営業利益と経常利益はマイナスになっています。成長に向けての投資が原因の一つと思われます。

財務について

財務状況について見てみましょう。まずはバランスシートですが、発電所を建設する事業であるので固定資産が多めですが、現金も潤沢、自己資本も32.6%も安全な水準であり、順調と言えるでしょう。

PLも見てみましょう。売上高はきれいな右肩上がり、営業利益は2018から2019は伸び悩んでいたものの、2021年度に急激に伸びています。こちらも文句なしと言えるでしょう。

市況について

イーレックスの時価総額は、2021年の9月で約1,700億円となり、PERは24.19と高すぎるとは言えないまでもそこそこの価格になっています。

脱炭素化というトレンドに乗っている企業ですから、株価の上昇も今後は期待できるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。イーレックスは、バイオマス発電に注力している会社ですが、昨今のカーボンニュートラルのトレンドにマッチしている会社と言えます。

数百社が参入していると言われている電力市場ですが、老舗の新電力であり燃料調達という上流から、小売の下流まで一貫した事業展開をしている同社は明確な強みを持っており、今後も成長が見込まれる有望企業です。

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